相続放棄と公共料金に関するQ&A
- Q相続放棄の検討中に公共料金の請求書が届いたのですが、どうすればよいですか?
- Q故人が公共料金を滞納していた場合はどうすればよいですか?
- Q同居の夫の相続放棄をする場合、公共料金はどういった扱いになるのでしょうか?
- Q公共料金を支払う必要が生じた場合、相続放棄との関係で気を付けるべきことはありますか?
Q相続放棄の検討中に公共料金の請求書が届いたのですが、どうすればよいですか?
A
相続放棄をする予定であれば、基本的には、被相続人宛ての公共料金の支払いをする必要はありません。
相続放棄が完了した時点で、相続債務の負担を免れますので、被相続人の未払いの公共料金を支払う義務はなくなります。
被相続人と同居していて、その住居に今後も住み続ける予定である場合には、ご自身のお金からであれば公共料金の支払いをしても大丈夫です。
Q故人が公共料金を滞納していた場合はどうすればよいですか?
A
亡くなられた方が滞納していた公共料金は、亡くなられた方の未払金債務ですので、相続放棄をする場合には基本的に支払う必要はありません。
亡くなられた方と同居していた相続人の方で、今後もその住居に住み続けるという場合には、ご自身のお金で滞納分の支払いをすることで電気やガスなどが止められてしまうことを防ぐことができます。
ただし、できるだけお早めに新たに電気やガスの契約をすることをお勧めします。
Q同居の夫の相続放棄をする場合、公共料金はどういった扱いになるのでしょうか?
A
同居していた夫の配偶者が相続放棄をした場合、夫の公共料金に関する債権債務関係は、他の相続人に相続されます。
もし他の相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在という状態になります。
公共料金の支払いが一定期間滞ると、一般的には、電気やガスを提供する事業者の方から一方的に契約を解除(法定解除)されます。
Q公共料金を支払う必要が生じた場合、相続放棄との関係で気を付けるべきことはありますか?
A
被相続人の金銭を用いて被相続人の未払いの公共料金を支払わないようにする必要があります。
被相続人の現金や預貯金などの財産を費消する行為は、一部の例外を除いて相続放棄が認められなくなる事由に該当するためです。
相続放棄をする場合、できる限り被相続人の公共料金は支払わずにしておき、法定解除がなされるのを待つべきですが、相続財産の保全等の関係上どうしても支払わなければならない場合には、ご自身の金銭で支払うようにしましょう。